習い事に補助金があるといいな

教育支援

こどもに「やってみたい」と言われたら、できるだけ応援してあげたい。
スポーツ、音楽、英会話、プログラミング、ダンス、書道、そして塾。
けれど、子育てにかかる費用は、学校に通わせるだけでは終わりません。習い事や塾、部活動、教材など、こどもの成長に必要だと思うものを一つ、また一つと数えていくと、家計への負担は決して小さくないのです。

私は、「習い事に補助金があるといいな」と、ここ10年近く訴え続けています。
これは単純に「習い事を無料にしてほしい」という話ではありません。
家庭の経済状況によって、こどもの「やりたい」「学びたい」「挑戦したい」が諦められてしまう。そうした場面を、少しでも減らしたい。
そんな思いからの提案です。

習い事・塾に通うこどもは約85%

私が把握している調査では、こどもが習い事や塾などに通っている割合は約85%にのぼります。
つまり、習い事は一部のこどもだけの特別なものではなく、多くの家庭にとって「子育ての中で当たり前に発生する費用」になっているということです。
もちろん、習い事をすることが必ずしも良い、しないことが悪い、というわけではありません。
大切なのは、
「やりたいけれど、経済的な理由でできない」
というこどもを生まないことです。

例えば、同じ学校に通う二人のこどもがいたとして。
一人は塾にも通い、スポーツや音楽など複数の経験を積むことができる。
もう一人は、本人が興味を持っている習い事を、家庭の経済事情から諦める。
こども自身の努力では変えられない「家庭の経済力」が、学びや経験の差につながってしまう。
私はこれを、学習格差・体験格差の問題として受け止めています

「塾に行けるかどうか」は、学力の差だけでは済まない

塾に行くことがすべてではありません。
学校の授業だけで十分に理解できる子もいますし、家庭学習で頑張る子もいます。
ただ、受験や進路を考えたとき、塾という選択肢を持てる家庭と、経済的な理由で選択肢そのものを持てない家庭がある。これは事実です。
そして、影響が及ぶのは学習面だけではありません。
スポーツを経験する。
楽器を演奏する。
舞台に立つ。
英語を学ぶ。
プログラミングに触れる。
地域の大会に出る。
こうした経験は、すぐにテストの点数として表れるものではありません。
でも、こどもが自分の「好き」を見つけたり、努力することを覚えたり、人と関わったり、失敗から立ち上がったりする、大切なきっかけになります。
だからこそ私は、学習格差だけでなく「体験格差」も小さくしたいと考えています。

そして今、部活動も変わり始めている

ここにきて、もう一つ考えなければならないことがあります。
それが、部活動の地域展開です。

これまで学校の部活動は、基本的に学校教育の中で行われてきました。
しかし現在は、地域のスポーツ・文化団体などと連携しながら、学校部活動を地域へ移していく動きが進められています。
こどもたちにとって選択肢が増えることや、専門性のある指導を受けられることなど、期待できる面はたしかにあります。
一方で、地域クラブなどへの参加に伴い、将来的に保護者負担が生じる可能性については、私は注意深く見ています。

POINT◆ 参加費
◆ 指導料
◆ 会場までの交通費
◆ 用具代
◆ 大会参加費
◆ ユニフォームなどの購入費

一つひとつは小さく見えても、積み重なれば家庭にとって大きな負担になります。
「学校の部活動だから参加できた」というこどもが、制度が変わったことで「お金がかかるから参加できない」となってしまう。そんな事態は、絶対に避けなければなりません。

フリースクールなど、不登校支援という視点も

そして、もう一つ。私が同じくらい大切だと考えているのが、フリースクールをはじめとする不登校支援です。
さまざまな事情で学校に通うことが難しいこどもたちがいます。
その一人ひとりに、学びや居場所を諦めてほしくない。
フリースクールは、そうしたこどもたちにとって大切な選択肢の一つです。しかし、その利用には月謝や交通費などの負担が伴い、家庭によっては通わせたくても通わせられないという現実があります。
これは、習い事や塾と同じ構造の問題だと、私は考えています。
「学校という枠組みに合わなかった」というだけで、学びや成長の機会、そして安心できる居場所までもが、家庭の経済力によって失われてしまう。
そんなことがあってはならないと思うのです。
だからこそ私は、習い事・塾・部活動の負担軽減だけでなく、フリースクールなど不登校支援にかかる費用についても、同じ発想で支えていく仕組みが必要だと考えています。

子育て世帯の家計は、すでに十分頑張っている

食費、光熱費、住宅費、学校関連費、教材費、制服代、給食費、通学費。
こどもが成長すればするほど、必要になるお金も増えていきます。
そこに、習い事や塾、そしてこれからの部活動の地域展開による負担が加わっていく。
「こどものためだから仕方がない」
そう言ってしまえば、それまでです。
でも、政治がそこで終わってはいけないと、私は思っています。
「こどものために頑張ってください」ではなく、
「こどものために頑張っている家庭を、社会としてどう支えるのか」。
ここを考えるのが、行政の役割ではないでしょうか。

「習い事に補助金」があってもいい

だからこそ、私は改めて提案したいのです。
「習い事に補助金があるといいな」
例えば、一定の所得要件を設ける。
対象となる習い事を一定程度整理する。
塾だけでなく、スポーツや文化芸術なども対象にする。
そして、フリースクールなど不登校支援にかかる費用も、対象に含める。
あるいは、こども一人ひとりが使える「体験・学習クーポン」のような仕組みにする。
方法はいろいろ考えられます。
私は、こうした習い事・塾・部活動・フリースクールなどにかかる費用を支える仕組みを総称して、「教育バウチャー」と呼んでいます。
学校の内か外か、勉強かそれ以外か、といった枠にとらわれず、こども一人ひとりの「学び」と「育ち」を、経済状況にかかわらず支えるための仕組み。それが、私の考える教育バウチャーです。
大切なのは、行政が「何を習わせるべきか」を決めることではありません。
こども自身が「やってみたい」と思ったとき、その選択肢を家庭の経済状況だけで閉ざさないこと。
私は、そのための仕組みを、教育バウチャーという形で考えていきたいと思っています。

「補助金が欲しい」というだけの話ではありません

ここは、誤解してほしくないところです。
私は、何でも行政がお金を出せばいいと言っているわけではありません。

◆ 限られた財源を、どう使うのか
◆ 本当に支援が必要な家庭は、どこなのか
◆ どの分野を対象にするのか(習い事・塾・部活動・フリースクールなど)
◆ 所得制限はどうするのか
◆ 既存の支援制度との重複はどうするのか
◆ フリースクールなど不登校支援を行う事業者・団体との連携をどうするのか

制度をつくるなら、当然こうした議論が必要です。
だからこそ、まずは保護者の皆さんの声を聞きたいと思っています。

保護者の皆さん、教えてください

「うちでは月々これくらい習い事にかかっています」
「兄弟がいると負担が大きい」
「塾に行かせたいけれど難しい」
「スポーツを続けさせたいけれど、用具代が負担」
「地域クラブになったら、いくらかかるのか心配」
「フリースクールに通わせているが、費用が負担」
「こんな制度なら利用したい」
反対に、
「補助金より、こういう支援のほうがいい」
という意見も大歓迎です。
制度をつくる側だけで考えるのではなく、実際に子育てをしている保護者の声から考えたい。
これが、私の基本姿勢です。

「やりたい」を「できる」に変えるために

私は、学習格差と体験格差を減らしたいという思いを、ここ10年近く持ち続けてきました。
こどもの可能性は、家庭の所得によって決まっていいものではありません。
「やってみたい」
「もっと知りたい」
「上手になりたい」
「挑戦してみたい」
そんなこどもの気持ちを、経済的な理由だけで諦めさせたくない。
部活動の地域展開など、こどもを取り巻く環境が変わろうとしている今だからこそ、「これから子育てにどれだけお金がかかるのか」ではなく、「どうすればこどもたちの選択肢を守れるのか」を考える必要があります。
「習い事に補助金があるといいな」
最初は、そんな小さなつぶやきから始まった提案です。
でも、その先にあるのは、
「家庭の経済状況にかかわらず、すべてのこどもが学び、経験し、挑戦できるまち」
をつくること。
そのために、これからも声を上げ続けます。
そして今度は、保護者の皆さんの声を聞かせてください。
「うちは、これくらいかかっている」
「こんな支援があったら助かる」
その一つひとつの声を、次の政策につなげていきたいと思います。

厚木市議会議員:もちづきまみ

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