ひとり親になる覚悟

子ども支援

全部自分が背負うという覚悟

ひとり親になるという決断は、並大抵のことではない。
心も体も追いつかないまま、生活のあらゆる責任が一人にのしかかる現実に向き合う必要がある。
私もその道を選んだ一人だ。特に母親である私は、子どもの前では「父親の役割」も同時に果たさなければならなかった。
強さも優しさも、叱ることも守ることも、全部自分が背負うという覚悟だった。

母親として-1

養育費問題に直面したとき、初めて社会の冷たさに触れた。
法律が整備されつつあるとはいえ、実際に継続して養育費が支払われるかは別問題だ。
経済的な不安は常に背中を押しつけるが、それでも子どもの前では笑顔を崩さないようにしてきた。
自分の弱さを見せることが、子どもの不安につながると信じていたからだ。

しかし、完璧でいようとすること自体が間違いだったのかもしれない。
仕事と家事、そして育児という三本柱を同時にこなす中で、いつしか自分自身を置き去りにしていた。
母であり、父であり、労働者であり、家庭の舵取り役。
それでも「私」は何者なのか? その問いに向き合ったとき、やっと気づいたのだ。
自分も大切にしていいのだと。親である前に一人の人間であることを忘れてはならない。

避けて通れないテーマ

性の問題についても、避けて通れないテーマだった。
特に子どもが思春期に入ったとき、父親不在のなかでどうやって性教育を行うかは、私にとっても未知の世界だった。
でも私は、子どもを「子ども」としてではなく、「一人の人」として対等に向き合うことを選んだ。
意見を交わし合い、時にはぶつかりながらも、一緒に考える姿勢を大切にしてきた。

本当の強さ

ひとり親になる覚悟とは、孤独に耐えることではない。
すべてを完璧にこなすことでもない。大切なのは、弱さを認め、助けを求めること。
そして、親である自分を見失わず、子どもとともに人生を歩んでいくことだ。
そこに、本当の強さがあると今は信じている。

同じ立場の人たちの力に!

家庭のこと、パートナーとの関係、そして養育費の問題。
どれもひとりで抱え込むには重すぎるテーマだ。
さらに将来への不安が日々の暮らしに影を落とすこともある。
だけど、あなたはひとりじゃない。私もかつて同じように悩み、迷いながらここまで来た。
そして今、同じ立場の人たちの力になりたいと心から思っている。

ひとり親であることは、決して特別なことではないし、恥ずかしいことでもない。
むしろ、困難に立ち向かいながら家庭を守っている姿は誇るべきものだ。
だからこそ、どうか遠慮なく相談してきてほしい。
どんなに小さな不安でも、話せば少しは軽くなる。味方は必ずいる。
誰かに頼ることは、弱さではなく、生き抜くための強さだと信じてほしい。

厚木市議会議員:望月 真実(もちづきまみ)

 

TOP