1人1台端末環境の下、新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について
児童・生徒のICT活用(GIGAスクール構想など)に伴い、推進していく中で教室の配置や備品の見直し、授業展開の工夫など、課題が出てきています。
その内容についていくつか質問させていただきました。

現在の環境はどうか。また、課題はあるか。

児童・生徒1人1台端末の環境を整備し、オンライン学習への対応のため、高速大容量の通信環境も併せて整備しました。今年度は、端末を更新していく予定です。
新しい時代の学びを実現する学校施設の整備に向けては、文部科学省が公表しております小・中学校の学校施設整備指針の内容を踏まえて取り組んでいく必要があると認識しています。

現在、校舎の建て替えを進めております依知南小学校 及び緑ケ丘小学校では、学校施設全体を学びの場として捉え、教室と廊下の一体的な利用や多目的室の設置など、多様な学習環境を選択できるように設計をするとともに、教室の面積も従来よりも広く設定しています。
一方、既存の学校施設においては、校舎の構造上、教室の面積等を変更することは難しいため、ICT機器の活用や、既存諸室、備品等の活用をいかに工夫してくかが課題です。

「机のサイズや形状の見直し」について。紙の教科書・ノートの使用を前提にした寸法で、タブレット併用には狭いという声が出ています。
本市では、60㎝×45㎝に移行中と聞き及んでいますが、果たしてこのサイズで十分か疑問は残ります。可動式サイドテーブルや「折りたたみ拡張式」にする(使うときだけ横にスライドテーブルを出す)の導入が検討できるのか、または、机の再配置など、工夫が可能か。

各学校の児童・生徒用の机は、今後、数年で旧規格から新規格へと配置が完了する予定ですが、それまでの間、学校間で学習環境に格差が生じてしまうことについての対応として、議員御提案のスライドテーブルについて、導入実績のある他の地方自治体での効果や、現在、旧規格の机を使用している学校の児童・生徒や教員のニーズなども踏まえ、レンタル制度等の活用も含めて研究してまいります。

教室の活用方法、授業の工夫についてはどうか。

授業の状況については、端末や教科書、プリント等を、それぞれ単独で使用する場面もあれば、組み合わせて使用する場面もございます。
教室外に端末を持ち出しての学習や、グループでの協働的な学びなどの学習形態も工夫されていますが、児童・生徒全員に自分の机があることの利便性は欠かせないものであると考えます。
今後は、AIドリルなどの活用により、端末のみを使用する学習場面が多くなり、多くの学用品を同時に使用する場面が減少することも考えられますが、様々な資料等を複合的に捉えて進めるものも多くございますので、児童・生徒の負担が少なく、より効果的に学習が進められるよう、机の天板サイズを考慮するなど、環境を整備することが必要であると考えております。

総合的に考え、最適解はすぐに出てこないと思うが、「学校施設全体を学びの場として捉える」考え方について伺います。

これからの学校施設は、学校施設全体を学習に利用するという発想が必要であり、そのために、児童・生徒の主体的な活動を喚起し、求められる学びや活動の変化に柔軟に対応できる空間にするための創意工夫が重要であると考えています。
新しく建設する校舎では、教室と廊下の間の壁を可動式にして、空間を一体的に活用できるようにするほか、多目的室は、学年集会も可能で、総合的な学習や調べ学習などでも使いやすい設計とし、可動式の机と椅子により柔軟な配置を可能にしてまいります。

壁にはスクリーン兼ホワイトボードを設置し、グループワークや授業で自由に活用できる環境とするとともに、ICT環境を強化した授業形態をサポートいたします。
また、廊下の一部には吹抜けを有する多目的スペースを設け、上下階の空間を連結し、採光や通風を確保しつつ、児童が交流や憩いを楽しめる場所を創出するなど、主体的に協働できる環境を整えることとしております。
さらに、校内全体にWi-Fi環境を整備し、ICTを活用した授業や、GIGAスクール端末を活用した調べ学習がいつでも、どこでも可能な環境を提供していきます。
まとめ
全体的に良い方向に進むことを期待していますが、短期的対応策も検討ください。タブレットの破損率は学校ごとに理解していると思います。各学校からヒアリングを行い、スライド式テーブルか、折り畳み式が、導入の検討をお願いしておきます。
それには予算が必要です。子ども達の学びをサポートする大人の判断に期待しておきます。
厚木市議会議員:もちづき まみ